山の麓にある仏国寺。新羅第35代景徳王が751年に創建。当時宰相である金大城によって設計、創建されたお寺です。最盛期の8世紀には総2000間の60余棟の木造建物の壮大なスケールを誇っていたそうです。
現在の境内は、大きく三つの区域に分かれ、各区域は一つの理想的な彼岸世界である仏国を形象化したものです。大雄殿区域は現世仏である釈迦牟尼仏の「法華経」の彼岸世界、極楽殿の区域は極楽浄土を主宰する阿彌陀仏の「無量寿経」の世界、毘盧殿の区域は法身仏である毘盧遮那仏の「華厳経」の蓮花蔵世界を現したものであります。1995年に世界文化遺産に指定されました。この仏国寺は、建物ではなく手前にある石の階段が世界遺産になっています。(豊臣秀吉の朝鮮出兵によって、建物は焼けてしまったが、石の階段はその焼けた状態のまま残った)そして、この階段にはその当時の技術の素晴らしさがうかがえます。アーチになっている部分が石と石でくみあわされており、崩れないように設計されている点です。「石窟庵」と「仏国寺」は、その成り立ちが関係しており、「石窟庵」は、自分が母親の胎内にいるとき、つまり「過去」の母親に対する愛情を示しています。そして、「仏国寺」の最初に見る建物は、自分と母親が共に暮らしている「現在」に母親への愛情を示しています。灯篭の穴の先にはブッダの顔が見られます。これは、「現在母親の顔が見られる」=「一緒にこの世で暮らしている」ことを意味しています。そして、「仏国寺」内にある最後の建物は、母親が亡くなった後の「未来」に対する母親への愛情を示したものになっています。
役立つ情報
{黄金のいのしし}
ガイドさんの案内で、極楽殿の金のイノシシ(豚)を見ました。
韓国の600年に一度のおめでたい年に、初めてこの黄金のいのししが発見されたそうです。
ちょうど看板の裏のあたりです。
韓国の人たちも、「どこ?」「どこ?」と、探しにやってきたそうです。
非常に広いので、時間があまり無いときはポイントを決めておきましょう。
他情報
■体験談
・思っていたより立派なお寺で、さすが世界遺産に指定されているだけのことはあるわ~って感じで、日本人観光客も結構いらっしゃいました。パンフレットをもらい、境内を散策。思っていたより広かったのであっという間に時間が経ちます。とは言え、最盛期の大伽藍は現在の10倍の大きさだったようで、とても歩き切れません。
・仏国寺は石窟庵から少し山道を慶州市街に戻ってきた場所にある古刹なのですが・・・おいらが想像していたよりも遥かに立派なお寺でかなりびっくりしました。この仏国寺は石窟庵と同じく世界遺産に認定されている古刹なのですが、韓国の国宝をかなりの数保有している事もあって何か法隆寺に似ている感覚があります。
・仏国寺は751年に新羅の宰相金大城が現世の親を思い建立されたという石窟庵と裏表の意味合いを持ったお寺なのですが、石窟庵が洞窟の中にお堂や仏像があるのと異なってどちらかと言えば日本にある飛鳥時代の建築様式に似ているようでした。
・以前法隆寺篇(奈良の書庫の中にあります)でも感じたのですが、ここ仏国寺に来て思ったのは日本と韓国はかつては同じ国家群として存立していたのではないか?という事・・・
・今日の国籍に縛られている人々とは違い、古代人々はそれぞれが暮らし易い地域で好きな様に生活していた・・・今日自由を満喫する為と世界中に広まる民主主義。自由とは何か?その意味を古代のダイナミックなアジアを思うに付け感じてしまうおいらなのです。
入場料:4,000ウォン(子供:2,000ウォン)
コース紹介
■入口
バス停から、アイスやおやつを売っている出店の間を通り抜け、15分くらい登り坂を登ると門に辿り着く。
新羅時代に創建された世界遺産プルグクサ(仏国寺)、漢字で佛国寺と書かれた門は柱だけが支えている頭でっかちな門だ。
チケットを買って(W4000)、中へ入る。
■天王門
門をくぐると、天王門というのがあり、四天王が奉られています。日本の四天王とはかなり形相が違って愛嬌があります。
四天王様の許しを得て前に進むと観光案内などでよく見る大伽藍の前に出る。さらにもう数分歩き進むと、大雄殿境内。
■紫霞門
本 当はこの奥に大雄殿があるのですが、この石階段(青雲橋・白雲橋)は建設当初のものらしく国宝。現在、保存のために特別の時以外は出入りができないように なっています。そのため、回り道をして後からの見学となりました。 かつて日本人が壊してしまったものが復元され、それを後世の日本人である私が目にす るなんとも感慨深いものがある。
■大雄殿
本殿にあたる大雄殿。写真は撮れませんが、本堂内には、金色に輝く仏像と、天井には装飾が施されています。一見の価値ありです。境内までこんなに遠いお寺は今までお目にかかったことがありません。そしてこのカラフルな提灯は何か特別な意味でもあるんでしょうか。日本の寺院にない色 合い。そこはかとなく平安を偲ばせる、、と思ったら、平安と同時期の建造物。国は違えど、時は同じ。文化は流れる。どこかで見たことのあるモチーフ。新羅 時代最盛期、仏教芸術の粋。
■釈迦塔
本殿境内に塔があり、これが珍しい形状だそう。新羅美術の極致と言われる双塔、釈迦塔と多宝塔もしっかり撮影した。
釈迦塔の前に立ってお参りすると釈迦塔の明かり立ての窓からお釈迦様が拝顔できるという位置 まで教えてくれた。