ケアンズ博物館は1907年に学校として建設された建物を利用した美術館。ケアンズ博物館には、ケアンズ近辺の歴史や文化に関する数々の品や写真が雑多に展示されている。アボリジニの使ったブーメランなどの道具もあれば、小学校の机もあり、パイロット訓練用の飛行機模型もあれば、氷で冷やした昔の冷蔵庫もあり。なんでもありの美術館なのだ。
さあ、この雑多なものをどう見ていこうかと思っていると、学芸員のおじさんに「日本から来たのかい?」と質問された。さらに、私たちとは別に来ていた日本人の家族連れ3人にも声をかけ、「日本人に見せたいものがあるんだ。ここには日本に関係するものも色々展示しているんだよ。」と言って、奥の部屋に飾られている写真などを見せてくれた。昔は日本人がオーストラリアに出稼ぎにも行っていたころのもの。その後、さらに日本人とは関係ない展示品についてもいろいろ説明してくれた。このおじさん手帖に日本語の単語の発音をメモしていて、時々、それを見ながら「これは”ウナギ”を捕るための道具」とか、説明してくれる(”ウナギ”以外は英語ですが)。最後にベランダに出て、最近は高層のマンションが建ってしまって景観が壊れてしまっているのが悲しいという話しをしてくれた。また、ここから見ていて、早足で歩いている人は、観光客。地元の人はゆっくり歩いているんだよ、とも話してくれた。ケアンズから昔ののんびりした田舎町らしさが失われていくのが、地元に長年住んでいるこの学芸員のおじさんには残念に感じられるのだろう。思いもかけず、解説付きで館内を見物させてもらい、とてもラッキーだった。とてもいい時間を持てた。こちら、入場料はA$5。入り口は、下の写真で言うと、左側の細い階段を上がったところ。博物館自体は2階にある。