鼓楼は元の1272年に創建、もともとは「斉政楼」と呼ばれていました。1420年に再建されましたが、火災などのため現在の鼓楼は清の1749年に改築されたものです。建物は再建されていますが鼓楼は鐘楼と共に北京の街に、元、明、清と三代にわたって時を告げていました。
以前は寅時(5時)と戌正時(19時)の一日2回、太鼓を108回鳴らしていました。
108回の鐘と太鼓と聞くと、除夜の鐘の108つが連想されますが、中国でも除夜の鐘は108つ突きます。この鐘鼓でも旧暦の年越しの晩には108つの鐘を突いています。
しかし除夜の鐘の108の数の意味合いは日本と中国では違います。日本では人間の持つ108つの煩悩を払うため108つの鐘を突きますが、中国では108という数が一年を表します。一年は12ヶ月あり、春分、秋分など24の節気に分けられます。そして5日を一候としてくくると年に72候になり、この12、24、72を合計すると108になります。
鼓閣に上がるにもとても急な木造の階段を上ります。楼閣には大きな太鼓が並んでいます。全部で25あり、その中でも一つが一際大きく、24の節気とそれを取りまとめるものを意味しているそうです。当時から残る太鼓は、25個のうちただ1個で、義和団事件の際に襲撃に遭い切り裂かれたままの無残な姿をさらしています。
かつて時を告げていたときの叩き方とはまったく別のものですが、9時~11時30分と13時30分~5時の間は観光用に30分ごとに約5分ほどの太鼓のデモンストレーションをしています。
そのほかに元朝から中華民国まで7世紀近くにわたって首都の時を刻んでいた水時計「漏刻(ろうこく)」が復元され展示しています。「漏刻」は銅製の器を段差をつけて組み合わせ、上の水を少しずつ下に落とし時間を計ります。長い目盛つきの物差しがだんだんとせり上がってくるのと同時に、古代中国の「一刻」(約15分)ごとに「鐃神(にょうしん)」と呼ばれる銅製人形がシンバルを敲いて時を知らせます。鼓楼の「漏刻」は(2009年3月には)実際に水を入れ時を刻んでいます。
住所:北京市東城区鐘楼湾臨字9号
電話:84027869
閉館日:年中無休
会館時間:9:00~17:00
入館料:20元