マルセイユは石鹸の原料である良質な天然のオリーブ油やパーム油の産地であり、地中海に面した立地条件から、同じく石鹸の原料となる塩やバリラ(アルカリ性海藻の灰)も豊富でした。そのため古くから石鹸が製造されていました。真のマルセイユ石鹸と認められるためには、石鹸素地中の油成分が天然植物油(オリーブ油、パーム油、ヤシ油)で、最低でも72%以上であることが義務付けられています。旧港付近にマルセイユ石鹸の専門店、Savonnerie Marseillaise de la Licorne(サヴォヌリー・マルセイエーズ・ド・ラ・リコルヌ)があったので私はそこで石鹸を買いました。ばら売りの石鹸は外包なしで、たくさん買っても買物袋に無造作に入れてくれるだけです。このような素朴さがまた、たまらなく好きです。