真如堂の境内は、燃え盛る紅葉につつまれていると凄く綺麗。やや小ぶりのもみじ葉でこしらえた、しなやかな赤い傘を幾重にも差しかけてくれる。仰げば、もみじの透かしもようが連接する。枯れるまぎわの、熟成した紅が艶っぽい。結構な人出だったが、その気配はまったく気にならない。超人気スポットは、入口から順路が決められていて、はみ出すのは御法度。多勢のかたまり移動にして、後戻りさえままならない。そのあげく、強制的に出口から押し出される。有名所の宿命とはいえ、その波にのる価値が見いだせないでいる。
真如堂は、開放的なのがいい。勝手気ままに、縛られないのがいい。ぼんやりと佇めるのがいい。赤・朱・紅の三位一体を堪能した。ここなら、時間からはぐれてもいいとさえ思ってしまう。