「TheGeorgeInn」は、ガイドブックなどにもよく取り上げられているロンドンでは有名なパブ。シェークスピアやディケンズもこのパブの常連客だったといわれている。現在の建物は、1676年の火災の後、すぐに再建されたものだが、その大部分が築300年以上の歴史を誇り、「歴史的遺産」として1937年からナショナル・トラストによって保護されている。建築物としても回廊式のバルコニーが残っているのはとても珍しいそう。中世の時代から現在の場所にあったとされる「TheGeorgeInn」は、もともとは馬車用旅籠として建てられた建物。回廊に囲まれた中庭も、馬車が乗り付けられるように工夫されたものだそう。周囲にも同じような馬車用旅篭が、たくさんあったそうだが、時代の流れとともに取り壊されてしまい、現在はTheGeorgeInnを残すのみとなった。ロンドンでは、1576年に英国で初めての常設劇場、TheTheatreが建てられるまでは、商業的な演劇は貴族の館か、こうした「Inn」の中庭に仮設の舞台を設けて上演されていた。この「TheGeorgeInn」のあるサザーク地区は、当時から演劇のメッカとして有名な場所で、芝居小屋を兼ねる「Inn」がたくさんあり、旅まわりの役者一座の舞台としても大きな役割を担っていたといわれている。今でも、夏になると、当時を偲びシェークスピア劇がここで上演されている。また、このパブには1878~1903年にオーナーを務めたアメリア・マレーという人の幽霊がでるそう。彼女の幽霊が現れるのはきまって深夜で、従業員が泊まる部屋のあたりでしばしば目撃されているそう。幽霊が出てもおかしくない雰囲気。そして、そんな歴史のある建物が今も現役で機能している、ということに改めてイギリスってすごいろ感じる。ちなみに、BoroughMarket(こちら)からすぐなのでマーケットの散策に疲れたらここで足を休めてみては。