Kenwood House(ケンウッド・ハウス)はHampstead Heath(ハムステッド・ヒース)の敷地内にあります。ハムステッド・ヒースはロンドン北部にある大きな公園で、南側に位置するParliament Hill(パーラメント・ヒル)からはロンドン中心部を一望することができます。公園内には、遊具施設や屋外プール、運動施設が備えられていますが、広大な土地の大部分は草木が生い茂るオープンスペースです。犬の散歩やジョギング、ボール遊び、ピクニックなど思い思いの時を過ごすことができます。
ケンウッド・ハウスは、17世紀中葉に建てらたカントリーハウス(貴族やジェントリの邸宅)です。1754年には法廷弁護士であり政治家でもあったWilliam Murray,1st Earl of Mansfieldが建物を買取り、当時を代表する建築家であったRobert Adam(ロバート・アダム)にその改装を依頼しました。建物を代表する建築の一つである書斎を設計したのもロバートです。ケンウッド・ハウスは、1925年にギネス(ビール醸造会社)一族の一人であったLord Iveaghの手に渡りました。彼が亡くなった1927年にはEnglish Heritage(イングリッシュ・ヘリテッジ:イングランドの歴史的建造物を保護する目的で政府によって設立された組織)に寄贈され、1928年からは一般公開が始まりました。邸内にはIveaghが集めた数々の肖像画が展示されており、最も有名なのはレンブラントが描いた自画像です。音楽ルームにはハープやパイプオルガン、ピアノが展示されています。ピアノは現在のものよりも小ぶりで装飾が施されています。アクセサリーの展示も見ごたえがあります。特に靴のバックルコレクションは必見です。