ポルトガル料理の「坤記餐室」。日本での度々紹介される店。店内は大衆食堂という感じである。愛想のいいおじさんが知り得る限りの日本語で接客してくれる。まずはマカオ料理の中でもとりわけ有名な魚料理の1つ、バカリャウのコロッケ。バカリャウとはポルトガル語で「干し鱈」のことを言う。つまり、じゃがいもに干し鱈を混ぜ込んだコロッケのようだ。ちなみに料理に添えられたきゅうりはちょっと甘酸っぱく、ピクルスというよりも日本の酢の物みたい。ポルトガルは長い海岸線を持つので、魚料理の種類が豊富だ。タラのほかにもイワシの塩焼きも有名で、オリーブオイルで丸焼きにする。これは、日本で食べる塩焼きのような感覚だ。そして、ほとんどのテーブルでオーダーされていたのが、ひき肉をスパイスで味付けし、ジャガイモが入った料理。ここはじゃがいもだが、各家庭によってさまざまなものを入れるらしい。なんだか沖縄のタコライスにも似た雰囲気の一品である。