新馬路の一本南側にある福隆新街は、ご覧の通り白壁に赤い格子窓という独特の町並みが続く。実は、ここはかつての遊郭跡なのである(以前の名前は『紅窓街』、現在でも東側に『紅窓門街』という地名が残っている)。
現在は遊郭は無くなり、その建物はかつての面影を残しながら、ある所はお洒落なレストランに、またあるところは食料品店にと、商売替えをして営業している。
マカオはポルトガル領だったせいか、よく見ると2階の窓脇にマリア像らしきものが置いてある部屋もある。
この通りの黄昏時の雰囲気は独特のものがある。そして、中華文化の一端を表すように、現在も住居として使われてるエリアに入る所には門があり小さな城壁村のような感じさえ漂っている。
通りの西側は安いホテルや土産物屋が密集しており、現在も活況を呈している。また、西側の安ホテル周辺には、夜になると未だにその手の女性が現れる。
人気のあるレストラン、活気のある土産物屋、映画の撮影にも使われた安宿、リーズナブルな粥店や広東麺屋そして職業女性、かつてはマカオの中心地であった内港地区には、その歴史が凝縮され、そして時代により姿形を変えながらも、町全体がその面影を留めている。しかし、残念なことにこのエリアも再開発の計画があるようで、この風景を見られるのもあと数年かも知れない。