ファン・ブラボ通り、地下鉄ヌニェス・デ・バルボア駅のそばにある「セント・ジェームス」。本格的なスペイン料理がいただける高級レストランだ。ドレスコードは、男性はジャケットを着なければいけないということはないようだ。ただ、さすがに短パンにビーチサンダルみたいな服装は、あまり似つかわしくないだろう。入り口は小さいが、中は結構広々している。店内は、白と青を基調としていて、とても涼やかな印象を受ける。フロアマネージャーと思われる男性はある程度、英語が話せるが、他の店員は全く通じない。しかし、英語メニューの用意はあるので安心だ。
付きだしのオリーブは、結構大振りで味も日本で食べたことのあるものとは若干異なる感じだ。飲み物はサングリアをオーダー。これは夏場のスペインでよく飲まれるものらしいが、赤ワインに果物を入れ、さらに氷を入れたものだ。甘みが強く、お酒が弱い人でもジュースのように飲める。
そして最初の料理は、ガスパチョ。夏のシーズンだけ飲まれるスープで、トマト、キュウリ、タマネギ、パプリカ、ニンニク、オリーブオイル等を使用している。火を使ってないので、野菜ミックスジュースみたいなものかもしれないが、普通の野菜ジュースよりもずっとスープらしい味となっている。好みで、野菜を細かく刻んだものを浮かべて食べるもののようで、タマネギやパプリカ、唐辛子の刻んだものも一緒にサーブされる。量も適当で、一口食べた瞬間から美味しい。二皿目は、フォアグラだ。フォアグラの大きさに驚くが、上等なものを使っている。皿には、甘く煮たタマネギと果物、バルサミコ酢、マンゴーのソース、ベリー、ホオズキなどが載っていて、いろいろと合わせながら楽しめる。また、フォアグラをつけて食べられるように、カリッと焼いたパンも出てくる。最後はパエリア。パエリア用の浅く大きな鍋に入った状態で見せてくれた後、ウェイトレスが一人前ずつ皿に取り分けてくれる。スペインサイズの一人前なのだが、とにかく量が多い。米はちょっと堅めで、味は結構濃いめだ。予想とはちょっと異なる味。美味しいのだが、ちょっと変わっているというか、なじみのない味もする。デザートにパッションフルーツのソルベとコーヒーをオーダー。ソルベは、グラスの中に飲み物のような感じで出てきて、酸味と甘みがあり、すっきり美味しい。以上でお値段、二人で約150ユーロ(20,000円くらい)。料理もサービスも高級店だが、決してかしこまりすぎていないサービスで、リラックスして食事ができる、雰囲気のとても良いお店だ。