フラメンコが見られるレストランやパブを「タブラオ」と呼び、「カフェ・デ・チニータス」は歌と踊りに定評のあるタブラオだ。入口を入るとすぐ左手に胸像があり、右手に階段となっている。壁には数々の写真が飾られ、いい雰囲気である。店の一番奥がステージで、その手前が客席だ。エントランスは小ぶりだが、店内は結構奥行きがある。
タブラオなので、まずは食事だ。前菜に生ハムメロン、そしてスープ。メインには鱈の料理をオーダー。「カフェ・デ・チニータス・スープ」というスープは、肉と野菜の入った温かい澄んだもの。驚くような味ではないが、普通に美味しい。メインの鱈料理は、予想外に結構なボリュームで、きしきしとした噛みごたえのある鱈は、美味しいのだが、少し塩がきつい。
食事が終わると員さんが来て、席を前の方に替わるよう促してくれる。フラメンコのステージは一日二回で、8時半と10時半からだ。ショーは若手からベテランまでの女性の踊り子数人と、中堅どころと思われる男性の踊り子が一人、それにギターと歌担当の男性という構成。踊りは時に一人で、時に数人で繰り広げられ、ゆっくりした動きと急激な動きの対比。少人数だが、女性ならスカートを、男性なら上着を用いたり、カスタネットを使ったり、手拍子があったり、激しく床を踏みならしたりと、とても多彩な踊りだ。大人っぽい踊りで、とにかく男性も女性も、ものすごく格好いい。有名なダンサーやギタリストが月代わりで出演するらしいので、本格的なフラメンコを楽しみたい人にはオススメだ。