プラド美術館に隣接する、広大な敷地を持つ「レティーロ公園」。フェリペ2世の時代(16世紀後半)から、すでにこの辺りはレティーロ、つまり「休憩、憩い」と宗教祈りの場になっており、公園の名前はそれに由来しているとのことだ。
独立広場側から入ると、最初に目にするのがガラパゴスの噴水。イサベル2世の誕生を記念して造られた噴水で、公園内でも特筆に値する記念碑のひとつだそう。1832年、ホセ・デ・マリアテギによって造られ、「女王の長寿、子宝に恵まれること、公正さ、賢明さ」等を祈るシンボルにより飾られているらしい。「レティーロ公園」内には、世界唯一(?)の悪魔(堕天使)を題材にした記念碑もあるとのことだ。
公園内の池には、アルフォンソ12世のモニュメントが建っている。アルフォンソ12世の在位は1874年~1885年の約十年間で、その前に亡命経験があるためか、慈悲深い君主であるそう。記念碑は彼の死後、妻のマリア・クリスティナの意志によって造られた。王の騎馬像は列柱に囲まれて、周囲には素晴らしい彫刻が施されている。
また、池の南側に19世紀末に建設された二つの宮殿がある。一つはベラスケス宮殿で、1884年に鉱業博覧会の会場として造られら建設物だそう。現在ではさまざまな催し物が行われている。入場無料だが、開館は11時からである。そして、もう一つはガラスの宮殿だ。完全にガラスと鉄鋼で形成された、モダンな建物である。ロンドン万博のクリスタル・パレスをモデルにしているという。他にも、左右対称に配置されたフランス様式(?)の庭園など、見どころ満載である。
休日には地元の家族連れやカップルなどでにぎわう場所だ。ぜひ、足を運んでみて。