今月(09年4月)の初めに行ってきたのでレポートします。
サマセットパレスに宿泊していましたが、近くで珍しい料理を食べたくなり、ガイドブックを便りに行ってきました。ガイドブックの地図では仁寺洞の細かい路地は省略されているので、たどり着くまでがひと苦労でした。このサイトの地図で見ても、よくわかりませんね。「山村」は細い路地に入って奥の奥の行き止まりにあります。仁寺洞ギル沿いの「山村」という乾物屋(同じ経営?)から入って道なりに進んだ行き止まりです。
予約なしで19時くらいに4人で伺いました。日本語のできるアジュマから「定食だけよ。大丈夫?」と訊かれ、それが目的でしたので迷わず靴を脱いで奥へ。石張りのオンドルの広間へ案内されました。「あの路地の奥にこんな広い店が!?」と驚くほどの広さに、たくさんの骨董品が飾られています。落とし目の照明で、伝統的な屋敷を模した雰囲気もなかなかよかったです。
渡された定食のお品書きにW39,600とあり(最近値上げした?)、今回でいちばん値の張る食事だったので「もしかしてボラれてたらショックだなー」と半分は覚悟していましたが、メニューには20品も並んでおり反面期待も大でした。とりあえず「ソジュジュセヨ」と迷わず注文したのですが、店員さんは「ソジュ?」と何だか微妙な反応。伝統酒を頼むべきだったのかなー。
料理は数種の山菜を蕎麦粉クレープで巻いたものとトンチミの汁で食べる素麺に始まり、写真にあるような数々のナムルやキムチなどが次々にテーブルに並びます。20品とは言ってもそのうちの一つが中央の「ナムル盛り合わせ(7皿)」だったりするので、予想以上のボリュームで、テーブルに乗り切れません。特に印象に残っているのは熱々で出てくるチヂミと揚げ野菜や、辛めに味付けした野菜を乗せたどんぐり餅などです。とにかく珍しい野菜中心のヘルシーな料理が満載で、全部食べたいけど完食できるか不安になるほどで、これでこの値段なら全然OKだねーと話していました。
食事が半分ほど進んだところで(今思うと20時ちょうど)いきなり照明がさらに暗くなり、「おや?どこかの客のhappy birthdayイベントでも始まるのかな?」と見回していると、韓服を着た男性が太鼓を打ち鳴らしています。すると奥から美しい民族衣装の女性が出てきて、中央の8畳ほどの板張りのスペースで音楽に合わせて舞い始めました。こんなイベントがあるとは全く知らなかった私たちはびっくり。たまたま特別なイベントの日に来合わせたのかなと思いましたが、毎晩開催されているようですね。ショウタイムは約1時間で、舞の女性2名と唄の女性1名が交互に出てきて様々な出し物を披露してくれました。舞は伝統的な曲やモダンな環境音楽のようなものに合わせ、緩やかな踊りや激しい踊りなど様々でしたが、どれも華やかで美しいものでした。唄は史実を語るいわゆるパンソリというものだと思いますが、若い唄い手なのに情感たっぷりで、意味はわからなくとも心動かされるものでした。締めくくりは華やかな曲で、欧米からのお客さんと、なぜか私も(!)舞台に引っ張り出されて、お客みんなの手拍子に合わせて一緒に踊るという、嬉し恥ずかし楽しいものでした。
ショウタイムが終わり静かになって、余韻を味わいながら再びお酒を楽しみましたが、「この雰囲気でたっぷりのヘルシーな料理にハイレベルな舞と唄を間近で見れてこの値段は、コストパフォーマンスが超高いねー!」と大満足でした。