パドヴァの政治の中心となった宮殿で、繁栄のシンボルとして豪奢な建築物である「サローネ」。1218~1219年に建設され、1306年に現在の姿に改築された。そして、内部2階には数多くのフレスコ画が残っていて、必見である。78m×27m、高さが27mとかなり広いスペースの壁面上部に描かれている。占星、宗教、学芸、日々の仕事という連作だ。また、1466年に造られたという巨大な木造の馬像も展示してあり、大迫力である。ここは現在でも展示会場などとして現役で使われている。
ちなみにフレスコ画というのは、砂と石灰を混ぜて作ったモルタルで壁を塗り、その上に水だけで溶いた顔料を用いて描いた絵のことである。油絵や水彩画と全く違ったマチエール(画面の表情)を持ち、色が美しく、耐久性に優れているため長期間保存できることが特徴だ。