サンテティエンヌ・デュ・モン教会のすぐ近くに、聖女ジュヌヴィエーヴを祀った丘の古い教会によって再建したパンテオン(Pantheon)が建っている。18世紀に造られたこのモニュメントは奥行き110メートル、高さ83メートルもの堂々とした新古典様式の建築物である。丸いドームとコリント式の円柱が印象的。
パンテオンの中に入ると、思わずそのスケールの大きさに圧倒される。端正で雄大な造りが時空を超えた永遠性と理想化された形態を追求する新古典主義の精神を伝えてくる。柱の足元をみると人がとても小さい。四囲の壁に巨大なフレスコ絵が描かれている。聖ジュヌヴィエーヴの生涯を描く壁画である。パンテオンの地下はフランスの偉人や哲学者たちの廟となっており、その入口に共和党の指導者レオン・ガンベッタの心臓が入った赤褐色の大壷が置かれている。地下にひんやりとした空気が漂い、アーチ状天井の通路が繋がっている。ルソーとヴォルテーヌの館が入口のすぐ近くに対面で設置されており、死後でも永遠に議論を続けるためだそう。この一室に文豪ヴィクトル・ユゴーとゾラが仲良く眠っている。入口の左右の壁に二人の名前と生卒年が刻まれていた。
・RERのリュクサンブール駅下車。東方向に歩き、徒歩15分ほど。