ローマ国立博物館の左手に位置し、広場に面して建つ「サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会」。あのミケランジェロが設計を手がけた教会である。特に装飾がなく、まるで廃墟のような外観は、古代文明に影響を受けた彼が最大限に敬意を払って、オリジナルを重視したためだとか。諸天使と浴場建設の殉教者に捧げられるべく、法王ピウス4世によって、1561年浴場跡地に建立された。18世紀の大幅な改修によって浴場の遺構の多くが隠されてしまったが、身廊の大きさやヴォールの高さに面影を感じられる。
教会内部には、ポンペオ・バトーニの「シモン・マグーマの堕落」、ピエール・シュブレイラスの「聖バジリオのミサ」、ロレンツォ・ロット作といわれる「天使のマドンナ」など必見の作品が飾られている。