鉄道総研のHi-tram、川崎重工のSWIMOなど、高性能バッテリーを活用した架線レストラムが日本でも研究されはじめたが、すでにフランスでは営業運転を開始していた。それが、世界的に有名な保養地、ニースのトラム。ニースは大都市であるのにもかかわらず、公共交通機関の整備が遅れ気味で、地下鉄もなかったため、ニース市民にも多いに受け入れられているそう。チケットは1枚1、30ユーロ。フランスでは、自動車通行料を制限するため近年トラムの復活が増えており、ニースもその一例。1953年に姿を消したトラムが54年ぶりに復活した。
大半の区間ではパンタを上げて走行するが、マセナ広場の景観を守るため、広場を挟む1駅間だけはバッテリーで走行。なるほど、架線がないとすっきり!パンタの上げ下げは、停車中に行われ、その様子はまるでJR東西線の尼崎・京橋のよう。軌道緑化もヨーロッパにあるのだ。架線レスによりどれほどコストが増えたのか分からないが、日本にとってはいい導入事例になっているように思う。