レジデンツは、バイエルン地方を統治していた君主ヴィッテルスバッハ家の宮殿でした。この建設が開始されたのは14世紀後半でしたが、17世紀から繰り返し拡張工事が施され、現在の姿に納まったのは19世紀になってからのことでした。完成までに長い年月を費やした結果、ルネサンス、ロココ、バロック様式など、宮殿内部には様々な建築様式がみられます。中庭 貝細工が美しい この博物館は、宮殿内部を見学することができるレジデンツ博物館と宝物館とにわかれています。両方見学することもできますが、どちらかを選んで見学することもできます。チケットにオーディオガイドの料金も含まれていましたが、残念ながら日本語はありませんでした。 オーディオガイドに沿って見学を開始しました。二番目の部屋がこの博物館の最大の見どころであるアンティクヴァリウムです。天井のフレスコ画が美しく、壁一面には、アルプレヒト5世が収集した古代の彫像が並んでいます。アンティクヴァリウム 見学を開始して、半分くらいまではオーディオガイドを聞きながら見学をしていました。一つの部屋に対して3通りの説明があるような場合もあり、真面目に従っていたら全部の部屋を見終えるまでに半日以上かかりそうな気がしてきたので、途中で興味深い部屋だけガイドを聞くという方式に切り替えました。それでも全てを見終えるまでにかなりの時間を要しました。オーディオガイドを聞いていて面白かったのは、大部分の調度品を説明する際に「この部屋にある○○は、フランスの影響を受けていて...。」と、解説していることでした。実際、自分は今、ヴェルサイユ宮殿を見学しているのではないかとの錯覚に陥るほどでした。身分の高い王族や貴族を迎える待合室 また、オーディオガイドを聞いていてよく耳にしたのは、「○○は、第二次世界大戦での爆撃により破壊されましたが、現在のように修復されました。」というフレーズでした。日本人の私はこれを聞くと、少し居心地の悪さを感じましたが、実際、ミュンヘンの街は第二次大戦により大部分が破壊されたそうです。この都市は、ナチスの初期の拠点であったために、連合軍による激しい爆撃を受けたそうです。このレジデンツ博物館の展示品の大部分は金銀豪華絢爛で、見ごたえは充分すぎるほどありました。ヴィッテルスバッハ家の歴史に興味があるという方は別として、じっくりと一つ一つの部屋を吟味しながら見学するよりは、さらりと全体を見渡すほうがその美しさをより堪能できるのではないかと思いました。陶磁器コレクション 館内には伊万里のコレクションもある。
役立つ情報
開館時間
4/1~10/15 | 9:00~18:00 |
10/16~3/31 | 10:00~17:00 |
利用料:一般6ユーロ、学生5ユーロ