パールハーバーにある「アリゾナ記念館」。リゾート地へ遊びに行って、普通ならまず立ち寄らない場所だと思うが、ハワイを薄っぺらいイメージだけで捉えるのではなく、正しい歴史認識を知るためにはここは必須。
パールハーバーといえば、1941年12月7日大日本帝国太平洋連合艦隊が戦闘機で奇襲攻撃を行い、戦艦アリゾナを始めとする米太平洋艦隊の主力戦艦に壊滅的な打撃を与え、太平洋戦争の火蓋を切ることになった歴史的な場所。今でも、パールハーバーに沈む戦艦アリゾナ通じて、当時を偲ぶ施設がこの「アリゾナ記念館」。
記念館には、車を停める駐車場もあり、センターに入る前には、セキュリティチェックがある。カメラはokだが、バッグは持ち込み不可だそう。厳しくチェックされ入館する。そして、入場は無料だが、多国語対応のワイヤレスヘッドホンを借りると、1台約$5。ただ、これが無いとその後の映画がさっぱり分からないので、必ず借りる事。。勿論、日本語にセットして渡してくれるので安心。時々壊れていて、英語しか出ないのもあるらしいが、少なくとも最初の映画が終わるまでは、この受信機は下手にいじらない方が良い。終わって、スタッフに直してもらうのが一番良い。ちなみに、この受信機には10キーが付いていて、映画だけではなく、記念館内の様々なスポットで表示されている番号を押すと、それぞれの場所の説明を日本語で聞くことが出来るまず、シアターで約20分の映画を観て、戦前から第二次世界大戦勃発、真珠湾攻撃、太平洋戦争へと広がっていく様子が、当時の貴重な映像と共に、うまく編集されている。映画が終わると、シアター左前の扉が開けられ、シャトルボート乗り場に移動。横長の白い建物がメモリアルで戦艦ミズーリ記念館になる。シャトルボートで、海の上のメモリアルに移動。このボートを運航しているのは、アメリカ海軍で、シャトルボートのキャプテンは、なんと女性の美人士官。海軍の白の制服がなんともカッコイイらしい。メモリアルに到着し、沈没前の戦艦アリゾナ、現在のアリゾナを見学。メモリアル左側の煙突の先端部分が、現在も海上に少しだけ顔をのぞかせている。この付近には、今でもアリゾナの油が少しずつ流れ出しているそう。この下に 沈むアリゾナは、米国人にはお墓と考えられていて、油を取り除く作業は、墓荒らしに当たる行為らしく、その為、今でも油が流れ出ているそう。アリゾナを上下に細く横切るような白い部分が、現在のメモリアルの位置。つまり、沈没しているアリゾナの上に立っている事になる。メモリアルの大きさから考えると、アリゾナがどれだけ大きな戦艦だったか、改めて驚く。そして、それを沈めた当時の日本海軍の戦闘機の性能も、相当高かったんだろう。敗戦後、日本は飛行機開発をGHQに禁じられ、職を失った航空技術者が、新幹線開発に成功したのも納得。しかし、折角この高度な技術、平和的に利用して欲しいと改めて実感。
日本軍の奇襲攻撃によって沈んだアリゾナと共に命を落とした、1,177名の戦死者碑。日本人として目をそむけたくなる部分も多々あるが、知っておかなければならない事実が刻まれている。