ケアラケクア・ベイの南側、ちょうど「キャプテン・クック慰霊碑」と湾を隔てた対岸に古代ハワイアンの聖地がある。ハワイ島で最も聖なる土地のひとつといわれ、カメハメハ大王の指示で建造された「ヒキアウ・ヘイアウ」。
このヘイアウは、農耕の神「ロノ」を祀り、マカヒキの時期になるとその舞台の中心地とされた場所。湾の名前にもなっているケアラケクアとは、神につながる道という意味。目の前に広がるケアラケクア・ベイを見渡せるこのヘイアウは、カフナたちが神につながるための修行を行った場所。海の水は神の水であり、カルマ(悪い因縁)を洗い流し、身を清める絶好のスピリチュアル・クレンジングの場所。カルマが大きいほど激しく荒い波が打ち寄せ、心身ともに浄化されたよう。カフナたちは、ヘイアウとその裏に迫る崖のふもとの間、ケクアと呼ばれる岩壁に囲まれた地域に住んでいたよう。また、湾を一望できる崖の斜面は、パリ・カプ・オ・ケオウアと呼ばれ、かつては王族を埋葬する場所だった。しかし、崖は急で、近寄ることが難しいため、正確な埋葬場所はいまだよくわかっていないとか。
パリ・カプ・オ・ケオウアとは、ケオウアの立入禁止の崖という意味。ケオウアとは、かつてのハワイ島の統治者。彼はたくさんの子孫を残し、次々とハワイ島の統治者となっていったことから、王の父(FatherofKings)と呼ばれている。ケアラケクア・ベイはダイビングやシュノーケリングが盛んな場所。そしてイルカがよく現れる場所としても有名。対岸のキャプテン・クックの慰霊碑を訪れるボートツアーとシュノーケリングがパッケージになったツアーも催行されているそう。