ワイキキ、カピオラニ公園近くのカパフル通りとカラカウア通りが交わる交差点にある柵に囲まれた建物。カピオラニ公園へ行った事がある方は、立ち止まることが無くても、目にしたことはあるはず。
この建物、実はワイキキで発掘された多くのハワイアンの遺骨を祭る記念碑「カヒカヒ・ハルア・アロハ」。ワイキキにハワイアンの遺骨が何故・・と思われる方も多いと思うが、ハワイアンがワイキキ一帯に住み始めたのは、今から約1000年前といわれる。西暦1500年には、ワイキキが首都となり多くの人々で賑わっていたわけなのだが、ハワイアンは土葬が主流だが、これまでの間、たくさんの人が埋葬されていた。その後、ワイキキが世界有数のリゾート地となるべく、土地開発が進められたのは1920年代。その際に、過去に埋葬されたハワイアンの遺骨が出てきたらしく、今でも工事中に遺骨が出てきたなんて話もあるとか。ハワイアンにとって、骨は死者のマナ(霊)が宿るといわれ、とても神聖なものとされるので、遺骨を粗末に扱う事はハワイアンにとってはとんでもない侮辱になる。ちなみに、古代ハワイで火葬するのは、生贄を捧げる時か、戦での敵側の最初の死者を焼く時ぐらいだったそう。今でも火葬を嫌う人もいるんだとか。そうゆう背景もあり、ワイキキ地帯で見つかった遺骨を、こうやって祀っているのだそう。この記念碑は、2001年1月に完成し、記念式典には当時の市長や考古学者が出席したそう。市長が登場する時点で、この記念碑がハワイアンにとって大切な物だと分かるだろう。
ワイキキで楽しくショッピングやビーチで遊ぶのも素敵だが、こんな身近に古代ハワイの文化を感じられるので、興味のある方は散歩がてらに是非。