香港版呪いの藁人形で、100年以上の歴史を持つ香港文化。啓蟄の日、銅鑼灣・堅拿道の鵝頸橋で行われる儀式だ。「打小人」とは、「小人は、不幸をもたらす人」で、「打は、打つ」を意味する。つまり、恋敵、政敵など自分にとっての敵を、依頼人に代わって呪う人のことを言う。そして、女性祈祷師は拜神婆(バーイサンポ)と呼ばれる。白昼堂々、拜神婆が依頼人から呪いをかけてもらいたい人の紙を受け、スリッパで叩く光景が見られる。これでもかこれでもか、というほど、何度も何度もピシャピシャ打ちつけている。最後は、その紙を虎をかたどった黄色い紙と一緒に燃やして、儀式は終了となる。普通の路上で、しかも白昼堂々やっているところに、香港人の潔さを感じる。日本なら丑三つ時の夜中2時頃に、藁人形に五寸釘を打つだろう。