モダンな建物の並ぶ中環(セントラル)からMTRで一駅の上環(ションワン)は、少し古臭い感じすらする下町。「町工場」と呼ぶよりも「作業所」といった風貌の工場や作業所がひしめき、子供の頃、近所の商店街にあったような金物屋や洗衣店(クリーニング屋)があったりする。
そんな場所にこの店はある。金文字の目立つ大きな看板のわりには間口は小さい、このお店。王栄記は「お茶うけ」のお店。お菓子ではなく、中国茶のお茶うけに付きもののドライフルーツを中心に、瓶詰めのお漬け物なども置いている。表の看板よりも立派な、店内の看板。乾し梅(話梅)もいろいろな種類がある。箱入りの生姜の砂糖漬けも数種類。このお店のドライマンゴーは、絶品。おじさんが、片っぱしから試食をさせてくれる。水蜜桃と金柑は洋風のドライフルーツとはちょっと違った、独特の漢方のような風味がクセになる。