「トローネ」はイタリアでクリスマスからお正月にかけて、どの家庭でも食べられるたいへんポピュラーなお菓子である。アーモンドの粉に、ハチミツ、砂糖、ナッツなどを混ぜ込んで、練り上げたものだ。聞いただけで甘そうでしょう?12時間かけて練り上げると硬いトローネが出来あがり、2時間ほどの短時間で練り上げると柔らかく半生状態のトローネが出来るとのこと。柔らかいトローネは、少しヌガーっぽい食感である。一方、硬いトローネは歯が折れそうなほど硬いが、通に言わせると、このガリガリ、ボリボリした食感が良いのだとか…。
「トローネ」と言えば、シチリアが有名だが、もともとこのお菓子はアラブ諸国から伝えられたという。イタリアでは、15世紀にクレモナで作られたのが最初だとか…。
アーモンドの粉にハチミツ、砂糖という素朴で甘い、季節もののお菓子、それが「トローネ」である。最近では、新宿にあるジェラテリア「グロム」のジェラートにも、「トロンチーノ(一口サイズのトローネ)」フレーバーが登場したので、少しは知られる存在になったかもしれない。機会があれば、ぜひお試しを。