フィレンツェの中心地、ドゥオーモのすぐ近くに驚くべき教会がある。「サンタ・マリア・マッジョーレ教会」。何が驚きかって、この教会の壁の一部に女の人の顔が埋め込まれている。この顔の女性はBerta(ベルタ)という名前で、顔が埋め込まれているのには多くの諸説があるらしい。その中でも最も有名なのが、死刑執行のため死刑台に向かう男に対して、ベルタが馬鹿にするような冷やかしの言葉を投げつけたところ、その悪態が原因となって石となり壁の一部になってしまったのだとか。ちなみに、Berta(ベルタ)という言葉には、女性の名前のほかに「人をからかうこと」という意味もあるそう。
教会自体は1000年前から続く由緒ある教会で、フィレンツェでも最も古い教会のひとつである。扉口の上部にはゴシックスタイルの、大理石で出来た聖母子像があり、内部の礼拝堂内には聖母子像を描いた13世紀の絵画が飾られている。