ヴェネツィアの北1.5kmのところにある「ムラーノ島」。人口は6000人程度の島で、共和国の命令により1291年に、ガラス職人がこの島に移住させられ、それ以来ガラス作りの本拠地になったという。移住させられた理由については諸説残っている。当時、ガラス製造はヴェネツィア共和国の経済を支えた一大産業であり、職人は優遇されたが、製造の秘密を国外にもらさないよう厳しく規制されたらしい。ヴェネツィアングラスと呼ぶそれは、イタリアではムラーノグラスというようだ。一口にヴェネチアのガラス製品とはまとめられず、様々な種類があるのだ。そして、店によってデザイナーがいて、それぞれ個性を競い合っている。また、ガラス制作を実演で見せてくれるところもあるので、観光には良いかもしれない。
「ムラーノ島」は、グラス工房が立ち並ぶリオ・デイ・ヴェトライやヴァヴァリーニ橋を渡った先にあるジュスティニアン河岸といった観光客用の部分と、住宅地として整備され人気(ひとけ)があまりない地区の二つの表情があるところだ。
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