「Firenze citt? dei lettori(フィレンツェ、読書家の町)」をテーマにフィレンツェの中心街に2007年5月に開館した「オブラーテ図書館」。7年の歳月と5百万ユーロ以上を費やして再建した図書館である。この建物の歴史は1287年にまでさかのぼり、かつては病院を兼ねた修道院だったという。修道院の向かいに「サンタ・マリア・ヌオーヴァ病院」が新設され、1936年には病院の役割を終えた。その後、一部がフィレンツェ先史時代博物館やフィレンツェ地形博物館などの文化施設となり、回廊とテラスがある部分が図書館へとなった。
雰囲気が良くて、かなり素敵な図書館である。入口にはラベンダーとツタの植え込みが涼しげで、回廊は修道院の面影を残す。館内にはいくつかのモダン・アートの作品が展示されており、庭にはLorenzoGuerriniの作品が置かれている。そして、何よりもうっとりするのが最上階のドゥオーモが見えるテラスだ。天気の良い日に、このテラスでのんびり読書なんて贅沢である。実は「オブラーテ図書館」のコンセプトは「読書をしない人のための本を読む場所」だ。それだけに、堅苦しくなくリラックスできる雰囲気となっている。フランスの図書館が見本らしいが、古い建物にモダンな家具が上手に融合していて、とてもいい空間である。さらに、子供用スペースがまた可愛い。大きな色紙にお絵かきも出来るし、DVDも借りれるし、大きい子供ならテレビゲームまで楽しめちゃう。子供用スペースの横には新聞や雑誌ブースもあり、日本語はないが、各国の新聞が用意されている。中心街を歩き疲れたら、「オブラーテ図書館」で本を読みながら休憩してみてはいかが?