15世紀に建てられたアバテッリス宮殿内にある「シチリア州立美術館」。ここに展示されているアントネロ・ダ・メッシーナの「受胎告知のマリア」の絵は必見である。ダビンチにしてもフラ・アンジェリコにしても多くの有名画家の受胎告知の絵は、大天使ガブリエルから神の子を身ごもったと告知を受けるマリア様の様子が描かれている。しかし「シチリア州立美術館」の「受胎告知のマリア」はシンプルに青いベールに包まれた清麗なマリア様の顔のみが描かれている。そして、もうひとつの目玉は15世紀頃、貴族の館の壁に描かれていた、作者不詳のフレスコ画「死の凱旋」だ。保存状態も良く、その色彩からはパレルモルネサンスの特異性が見出されるという。