トリノ・チェントロから西南へ10kmに位置する「ストゥピニージ宮殿」。1729年にサヴォイア王のヴィットリオ・アメーデオ2世(VittorioAmedeoII)のために建築された狩猟用の別荘である。建築家ユヴァッラによって建てられた典型的なピエモンテ・バロック様式だ。立派な門から広い芝生の前庭と、その中央の道には貴族の紋章の旗が立ち並び、正面奥に「ストゥピニージ宮」が見える。かなり立派なお城で、赤やピンクや白い花がきれいに植栽されている鶴翼の陣ではないが、両翼のように前庭を包み込むように建物が配置されている。中央のドーム状の屋根上には、狩猟の宮殿らしく鹿の姿が飾られている。音声ガイドを借りて見学することも可能。中国の間(SaladiCinese)は壁面が有田焼きのようなブルーの広間となっていて、東洋の風景や人物たちが描かれている。それぞれの部屋は天井画と立派なシャンデリア状のろうそく立てで飾られており、大変、見事である。狩のためだけに作られたものとは到底、思えない。中央のドームの部屋には彫刻が飾られていて、いくつも張り出した窓からは裏庭が見えるようになっている。
美術館や家具博物館などになっていて、見応え十分の「ストゥピニージ宮殿」。トリノでもここまで訪れる人は少ないだろうが、一見の価値ありだ。