東大正門前そば、脇道にあるレトロな外観が目を惹く万定フルーツパーラー(まんさだふるーつぱーらー)。大正3年創業のこちらのお店、店名はフルーツパーラーとなっているが、カレーとハヤシライスが名物である。外観もなかなか味のあるものであったが、店内がさらに味わい深い。円形状の少し高めのカウンターがイイ感じ。こういう窓ガラスって、古民家をリノベーションしたカフェでもめっきり見かけない気がする。中でも驚いたのはキャッシャー。創業当時のものだろう。今なお現役。メニューは一般的な喫茶店にあるドリンクの他、ここがカレー屋ではなく、フルーツパーラーであることを証明するかのように手搾り天然ジュース、そして名物のカレーライス、ハヤシライス、スパゲッティがある。今回のお目当てはカレー。店名にフルーツパーラーとついていることと、入口にあったディスプレイを見て、今度こそw喫茶店でいかにも出てきそうな味わいのカレーを想像し、注文する。カレーライス:750円運ばれてきてビックリ!出てきたカレーはイカスミでも入ってるんじゃないかと思うほど真っ黒!!!ルーはサラサラでスープカレーのよう。カレーの香りもしない。おいしい!焦げという表現が適切かはわからないが、それに似たようなほのかな苦味のようなものと肉をじっくり煮込んだようなコクと素材の旨みが溶けだした感じがクチの中で広がる。目に見える数少ない具であるポークも味が出きったものではなく、ハムのような塩漬けしたような味わいもちゃんと残っている。スパイシーさは一切なし。リゾットと思って食べるが最高。これにニンニクやトマトを具に加えたら、イタリアンに大変身するであろう味。実際の色はこんな感じで、イカスミは入っていないので、その香りはないものの、何も言わなければイカスミリゾットパンチェッタ入り。ルーのベースがしっかりしているのだろう。なんだかすごくクセになる味。同じオリジナリティあるカレーでも、どこぞの喫茶店の950円のものと違い値段も適正。味もよし。ちなみにジュースはグレープフルーツジュースを注文したが、これがまたフルーツパーラの名に違わぬうまさ。カレーを食べる気満々で来ると、アレ?っと思う味だが、個人的にはレシピを教えてほしいぐらいこの味の虜に。ここは、昭和が残ったレトロな雰囲気もさることながら、それだけではなく、インパクトあるここでしか味わえない、いい意味でオリジナリティが高いカレー、基、リゾットが食べられ、かつ、おいしいフレッシュジュースが飲める店であった。