ウルトルモッ亀甲船はウルトルモッ海峡を周る遊覧船。
港には朝鮮時代の戦船の1分の1レプリカが置いてある。
ウルトルモッ海峡のウルトルモッとは「声を出して鳴く海の道」という意味の純韓国語である。漢字になおして、鳴梁(ミョンニャン)海峽とも呼ばれる。
このウルトルモッは韓国と日本の歴史が絡みあう地である。
1597年、李舜臣は日本の侵略を防ごうと、当時壊滅状態だった海軍に残ったわずか12隻の船で日本軍330余の戦船を待ち構えた・・・。圧倒的に不利な立場だったにも関わらず、この地の激しい潮流と地形を上手く利用して大軍を見事に打ち破った。これを鳴梁大勝と呼ぶ。
そんな歴史が刻まれたウルトルモッ海峡を周るこの遊覧船は出発して間もなく、李舜臣の像を拝し、珍島を象徴する珍島大橋の下を通って周る。
遊覧船の1階はラウンジや記念品の購売店、上映室がある。上映室では、映画のような大迫力の3Dアニメーションで鳴梁大勝の一幕を見て学べる。日本語・中国語・英語バージョンがあり、海外からの観光客も楽しめるようになっている。
2階の展望台では民俗衣装を着た地元の女性たちがカンガンスルレという珍島に伝わる舞踊歌を披露してくれる。カンガンスルレとは、そもそもは壬辰の戦いのとき、当時水軍統制使という地位にあった李舜臣が海岸線を守る兵が多いことを敵軍に見せるため、また敵軍の侵攻を監視するために考えた戦略のひとつだった。
海岸付近の婦女子たちを集め、数十人ずつ組を組ませ、山の上に登って焚き火を焚き、その周りをまわりながらカンガンスルレという歌をうたうように指示した。カンガンスルレという言葉の意味は「周囲を警戒しろ」という意味で、掛け声のようなものだという。戦が終わった後は、その大勝利を記念して毎年行う恒例行事となり、珍島の女性たちの民族舞踊歌として広まった。地元の女性たちと乗客が一緒にカンガンスルレ~と手を繋いで歌い、遊べるのもこの遊覧船のイベントのひとつ。
役立つ情報
船内施設 : 鳴梁大勝(ミョンニャンデチョプ)3D立体映像館、観光記念物販売店、旅客室、VIP室、展望台
線上プログラム : 鳴梁大勝(ミョンニャンデチョプ)語りサービス、李舜臣将軍の衣装体験など。