龍興宮は、朝鮮王朝の25代目の王の家だったところ。朝鮮時代は1392年~日帝時代が始まる1910年まで500年以上の間、王政が続いていた。その王様を数えると27代になる。その内の25代目、哲宗(チョルジョン)という王様はここ江華出身の方(1849~63)。龍興宮はその方が住まわれていた家を改修したものなのだ。
実はこの方は王家直系ではない。跡継ぎがいなかったので、親戚の中から選ばれたという方で、地元では「江華(カンファ)トリョン」と呼ばれている。トリョンというのは未婚の男性を敬って呼ぶ時の呼び方。一年に一回、地元ではコンテストで青年を選んで、カンファトリョンがソウル(当時は漢陽)に上がっていく様子を再現するお祭りを行ったりもしている。現在ある龍興宮は、1974年に改修されたものだが、こじんまりした中にも趣きがあって、時間があれば是非ご案内したい場所。
江華島のほぼ中心、郡庁の近くにありながらとても静かなところ。幼い哲宗がここでどんな遊びをしたのだろうか。いずれにしても江華島は王家とは縁が深い、そんな場所だ。