▸韓国でいちばん最初にできたイケア
2014年12月18日にオープンしたIKEA光明店はソウルから車で30分程度離れたKTX光明駅のすぐ目の前にあります。建物は隣のロッテプレミアムアウトレット光明店ともつながっており、ショッピングに便利なつくりになっています。
韓国で初めてイケアが上陸したため話題は沸騰。
週末は周辺一帯が渋滞がひどく、まわりの家具屋や商店街は閑古鳥が鳴いているなど、さまざまなセンセーションを起こしてます。
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▸消費者を把握したイケアのマーケティング
イケアに韓国人が熱狂する理由は何でしょうか?
考えた理由は3つです。
①エンターテイメントにあふれた設計
②ショールームに対するこだわり
③かゆいところに手が届く気遣い
①エンターテイメントにあふれた設計
まず、正面玄関から入ると2階から見てくださいと大きい看板があります。
2階はショールームで構成されていて、お客さんはマップを手に1~22番までの区域を自分の好みで見て回ります。
区域は、それぞれリビング、子ども部屋、寝室、キッチンなど実際の家の構造になぞらえて分かれており、それぞれの区域にさまざまなコンセプトで装飾されたショールームが展示されています。
最初にこのショールームに訪れたときは気持ちが高揚し、なんだかテーマパークに遊びにきたような感覚になります。
また、個人的に一番うれしいのは、誰も営業しないこと。
韓国に似たようなショールームで、ハンセムというメーカーが有名ですが、こちらはどこに行っても何を見ても、店員が着いてまわり「何を探しているか」声をかけてきます。
イケアはお客さんを気持ちよく放っておいてくれるため、いくらでもソファーに座ってお部屋を眺めたり、値段をチェックすることもできます。
②ショールームに対するこだわり
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「誰かが住んでいる」かのような感覚、誰かの部屋をのぞき見しているような感覚をイケアがそのまま実現しました。
大体15畳程度のワンルームの構造をしたショールーム前には、若い女性の写真が貼ってあり、「私の家」を紹介しています。
若い女性のワンルームというコンセプトで造られたショールームは、小物ひとつひとつまで統一感があり、自分の家のコンセプトづくりにも参考になるし、どういう小物を配置すれば雰囲気が出るのかよく分かるようになっています。
③かゆいところに手が届く気遣い
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入口で手にしたマップの後ろには、リスト表があります。
ここに欲しいものリストを作成できるようになっています。
2階ショールームをまわりながら気になるインテリア雑貨があったら、区域と値段、商品名を書いておけば、この場で買わず、最後に検索できるようになっています。
また、途中でトイレに行きたくなったら正規ルートをショートカット(近道)してトイレにすぐ行けるという優れた構造になってます。
そしてイケアといえば、男性たちが嬉しい「ソファ」がたくさんあります。
主婦たちが一生懸命ショールームの中を探検している間、夫は、ソファで座ってスマホでゲーム。という光景もイケアならでは(!?)。
何も買わなくても、なんだか家族で楽しい経験ができる、そんなショッピングセンターです。
▸今後どうなる?!韓国イケア
韓国イケアの価格は若干、日本やほかの海外支店と比べて高い設定になっているため、どこまでこの人気が続くかは未知ですが、こういった新しい形のマーケティング構造はきっと他の流通業界にも大きな影響を与えるでしょう。
韓国で家具を買うなら、一人暮らしを始めるなら、まずはイケアでショールーム体験をしてみてはいかがですか?