新撰組ゆかりの地、治安警察である新撰組の名を一気にとどろかせたのが、1864年の池田屋事件です。討幕派の志士たちが密会していた京都の池田屋を、新撰組が襲撃。このとき闘死、もしくは逮捕された面々たるや錚々たるもので、これ以後、新撰組は討幕派の最大の敵として立ちふさがるのです。で、その事件現場の池田屋なんですが、その後は廃業し、跡地は旅館になったりパチンコになったり、紆余曲折を経て、現在は居酒屋チェーン・華の舞の系列店として営業を開始。幕末のころの池田屋よろしく、飲食処となりました。オープンしたのは比較的最近の2009年。おもいっきり、昨今の歴史ブームにのっかってます。
ドラマなんかの池田屋襲撃のシーンでは必ずでてくる、例の大階段も完全再現ゆかりの品もいろいろと展示されてます。で、メニューのほうですが、一般的な居酒屋チェーンとあまり変わりありません。和民とか笑笑とか、そんな感じのラインナップです。目を引くのは、新撰組隊士をそれぞれイメージしたカクテル。ノンアルコールのカクテルも充実してます。アニメ絵で美化されたイラストといい、たぶんいわゆる「歴女」をターゲットにしているんでしょう。トイレに立てかけてあった「局中法度」も面白いです。新撰組の軍法もあります。白木屋のトイレにはってある「親父の小言」みたいなノリでくっついてます。でも逆らったら切腹です。歴史好きの間では、こういうの結構好き嫌い分かれるかもしれないですね。コアなファンは、こういうの逆に嫌がるかもしれません。一回、話のタネに言ってみる価値はあると思います。
店員さんが、新撰組のシンボル、あさぎ色の羽織を着ながら働いていて、「ちょっと写真とらせてもらってもいいですか?」って聞いてみると「いえ、むしろお貸しするんでどうぞお客さんとってください」といわれ、記念写真も撮れちゃいます。こういう、歴史的な場所で、それをそっくりそのまま生かしたアミューズメントにするって発想は面白いです。