「関西人はせっかちだから並ばない」。これは紛れもない事実良い店の条件として、常連客を待たせない、これ程までに厳しい関西グルメ。だが、そんなシビアな関西の人でも並んででも食べたくなるものもある。
フランスのアラン・シャペルをはじめ各地の名店&名ホテルで製菓長を務めた西原金蔵氏のお店。アラン・シャペルといえば『二十世紀最大の料理人』とまで崇められたフランス料理界の巨星。堂々たる経歴である金原氏の現在進行形のサロンとも言える。さらなる拡張栄転ということで、今までの細い階段を上る間取りから、お隣の立派な町屋を改造しての再オープン。もともと通りを挟んで斜め向かいにオ・グルニエ・ドールはあったのだが、そちらは今はテイクアウト専門になっている。
店内は町家ならではの細長い造りですが、それが一筋縄ではいきません。ブラックで統一されたミステリアスなエントランスから奥に進むにつれ、日本庭園風な坪庭などもありので、なんとも個性的な空間。そしてショーケースには、金銀財宝かと見まごう程の綺麗なケーキたちが沢山。しかし17時くらいになると、ほとんどすべてのケーキは売り切れ御免状態。
接客と雰囲気のランクは普通にフレンチを食べに来ているかのような目配り具合。また、ケーキのコースというものがあるのにも驚き。前菜・スープ・魚・肉なんて塩梅で何皿も続けて出される感じ。これが果たして美味しいのかどうかは体験してみないと解りませんが、とにかく、こんなのなかなか無い。ここは誰が来ても面白いと感じるであろう素晴らしいパティスリーです。京都へ寄った際はぜひ。
・ピラミッド
食べ会全員がモチロンお取り置き。これがオ・グルニエ・ドールの有名なスぺシャリテ。
仏産の粉やヴァローナのチョコレートなど、極上の素材で組み立てたチョコケーキ。
見た目に反し意外にも固い三角屋根のチョコ。それをお上品にもナイフとフォークで切り分ける。
中には雑っけのないチョコムースの甘みが素直に喉の奥へと分け入ってくる。
・イチジクのコンポート
果実の生々しさが直撃で爽やかすぎる。