本市における最も古い公園で,明治19年12月には太政官布告に基づき公園地に指定され円山公園として誕生しました。その後,明治22年,市制施行時に京都府から京都市に移管され現在も管理しています。
その後,明治45年までの間に公園を拡張,自然の丘陵を利用した渓谷を造り,四季の草花を植樹,池や噴水の建設,野外音楽堂※1の建設を行い,現在の円山公園の姿ができ上がりました。
東は東山に続き,西は八坂神社,南に高台寺,北は知恩院等の豊かな樹々の茂る境内地に隣接し,観光地の一環を成しおり,自然の丘陵を利用して回遊式日本庭園を模して造られたこの公園は,そのサクラとともに市内随一の行楽地となっています。
祇園の夜桜
円山公園の園内中央には,通称「祇園の夜桜」という有名な桜があります。
正式名は,一重白彼岸枝垂桜(ひとえしろひがんしだれざくら)といい,現在は二代目です。「初代のシダレザクラ」は,根回り4メートル,高さ12メートル,樹齢200年余で,昭和13年,天然記念物に指定されましたが,昭和22年枯死しました。
現在ある桜は,これに先立つ昭和3年に,15代佐野藤右衛門氏が初代のサクラから種子を採取し,畑で育成したものを,同氏の寄贈により,昭和24年に現地に植栽したものです。現在の容姿は,樹高12メートル,幹回り2.8メートル,枝張り10メートルです。