イギリスの12月はどんよりとした曇りの日が多く、午後4時を過ぎると日が暮れます。寒くて鬱々とした日々が続くこの季節には、クリスマスを待ちわびる気持ちが自然に湧き上がります。12月にはいるとクリスマスに備えて家族や友人のためにプレゼントを用意する人が増えるため、街は買物客で活気づきます。
イギリスのクリスマスはちょうど日本のお正月のようなもので、家族とともに過ごすのが一般的です。遠方に住んでいる人は実家へと帰省します。12月24日はオフィスも商店も早々に仕事を切上げ、25日は殆どの機関がお休みになります。ロンドンでは公共交通機関もストップします。家族揃ってクリスマスのご馳走を食べるのも25日です。サンタさんは、イギリスではFather Christmas(ファザー・クリスマス)とよばれています。子どもたちは自分たちが寝静まってからやってくるファザー・クリスマスのためにお手紙を書いたり、お菓子を用意します。
翌、26日はBoxing Day(ボクシング・デー)という祝日です。教会が貧しい人たちのために用意したクリスマスプレゼントの箱(Box)を開ける日であったことから、この日はボクシング・デーとよばれるようになりました。また、この日は大きなお屋敷に仕える使用人たちがクリスマスの仕事を終え、帰省することを許された日でもありました。その日は、主人が使用人たちの日頃の労を労う意味で彼らに贈物をしました。近年は冬のバーゲンがスタートする日という認識がありましたが、最近では不況の影響でバーゲンをクリスマス前に早めるお店が増えています。