HamptonCourtPalace(ハンプトンコート宮殿)は、広大な庭園を有しています。この庭は、毎年7月にフラワーショーが開催されることでも有名です。私が宮殿を訪れた最大の目的はこの庭園を散策することでした。ロンドン市内に無数にある公園内の花壇もよく手入れがされていますが、この庭園は、色や形のバランスを徹底的に考慮した造園設計がなされているために美しさが際立っています。 私が最も美しいと感じたのはポンドガーデンでした。この庭はヘンリー8世が作らせたもので、当時はこの池で食用の淡水魚を養殖していたそうです。 徹底的に計算された造形美に私はうっとりしましたが、相棒は、人工的に過ぎるとあまり好きではない様子でした。美の基準は人それぞれです。 エリザベス2世のDiamondJubilee(ダイアモンドジュビリー)を記念する花壇を見つけました。赤いヴェルベットのような王冠がとてもかわいらしかったです。 この日は庭園内のベンチで持参のおにぎりを食べました。中の具は梅干とツナでした。後の楽しみに残しておいたツナおにぎりを食べていたときに悲劇は起こりました。肝心のツナがおにぎりから転落してしまいました。ツナ好きの私は泣きそうでした。 ベンチを後にした私たちを注意深く見送っていたカラスたちがやってきました。そしてツナをついばみはじめました。彼らは、私たちがベンチに座っていたときには決して近くまで来ることはありませんでした。そのかわり、遠くからツナと私たちの動向に探りをいれていました。 この宮殿内にも私の好きなバラ園があります。近所にあるバラ園よりも広く、花の種類もたくさんありました。バラの香りを比較してみると、黄色と薄いピンクの花が強い芳香を放っていました。色の濃い花からはあまり香りがしませんでした。 バラ園の一角からは、宮殿の美しい姿を仰ぐことができました。今度は、バラが満開のときにもう一度、訪れたいです。