ロンドン博物館は1976年にオープンした比較的、新しい博物館で、古代から現代に至るまでのロンドンに関するありとあらゆる展示品を収蔵しています。特に、ヴィクトリア朝の街並を再現したヴィクトリアン・ウォークという大掛かりな展示は見ごたえがあります。この時代、上流・中流階級に属する人々の間では、使用人を雇うことがステイタスシンボルでした。彼らは茶会を催すなどして、優雅な生活を送っていました。多くの人々が憧れるヴィクトリア朝の風景です。一方で、産業革命により農村から労働者として都会に働きに出てきた人々の多くは、貧しく過酷な生活を強いられました。ロンドンなどの都市部に人口が集中し、劣悪な環境のスラムが形成され、売春や児童労働なども横行しました。ヴィクトリアン・ウォークを歩くことは、そんな時代にタイムスリップすることです。