家の鍵を失くして行く所がないんだけど、どこへ行く?と聞かれたらやっぱりここだろう。「Daunt Books」は、1990年にJames Dauntによって個人経営の本屋さんとして開かれた。中に入ってみると、ちょっと普通の本屋さんと違うことに気付く。お店の名前のあとに"forTravellers"とつくことから分かるように、ここは「旅行書、世界各国に関するスペシャルな本」を多くあつかっていること。細い階段を上がった上の階は、アフリカ、イギリス国内、中近東のもの、そして地上階はヨーロッパが細かくそれぞれの国々に、地下は地図とアジア全般と分かれる。単にガイドブックや地図だけでなく、「旅行記」「ライフスタイル」「写真集」「小説」など色んなジャンルの本があり、まるでここは「本の美術館」。オーク床の温かい雰囲気のあるコリドーはギャラリー式に作られていて、つきあたりはステンドグラス。冬のお天気の良い日にここに来て、ステンドガラスから入ってくる優しい陽を感じながら、椅子に座って今日我家に持って帰る本を選ぶ時間は最高に幸せ。他の本屋さんでは、決して見つけられないような「旅行記」が見つかるので、休暇の前にここにきては、ホリデー先が舞台にされた小説や旅行記を読んで気分を盛り上げることもできる。写真集は「トスカーナ・田舎風の住み方」から「パリの愛人」「プロヴァンスの家」「ヴェニスと貴族」などなどインテリアからお料理、建築物までそろっており、見ているだけでなんだか自分がタイムスリップした気持に。イギリスは、必ずソファや椅子が置いてある。これは休むためだけでなく、自分の気になる本を持ってきて、納得がいくまでページをめくってよい、ということ。10冊以上持ってくる人もいるが、買う本は一冊であとは、横にあるテーブルに置きっぱなしでもOK、お店の人がちゃんと後で元の場所に戻してくれる。子供本のコーナーも同じで、子供たちは椅子に座ったり床に座ったりして、自分の好きな本を選ぶ。イギリスだと、カフェも併設されていて、コーヒーを飲みながら何時間でもいられるので 周りのペースを忘れてノンビリできる最高の場所。アマゾンで、さささ、とお買い物もよくするのも良いが、こうしてあまり知られていないような本を、本当に実際に自分の興味のあるセクションでレビューやあらすじを読みながら選ぶのも、また一味あってよい。