Pudsey(パッズィー)君を初めて見たとき、あまりのかわいくなさとその痛々しい包帯に驚くかたも少なくないはず。そして、子どもたちが見たら怖がって泣き出しはしないかと心配になるほど。いつものことながら、イギリス人の美的感覚を疑わずにはいられない。このパッズィー君は、BBCが主催するChildreninNeed(チルドレン・イン・ニード)という子どものためのチャリティーのマスコット。1980年に始まったチルドレン・イン・ニードは通年インターネットなどを通じて募金を募っているが、毎年11月には特別番組を放送して、より多くの人々に募金を呼びかける。この番組では、コメディアンや有名人が本業とは別の特技を披露したり、アナウンサーがパロディードラマに出演したりする。日本で放送される、24時間テレビと同じような趣旨。一般の人々も募金活動のためにマラソン大会に参加するなどして、このチャリティーのために一肌脱ぐこともある。1985年に誕生したこのパッズィー君は、2007年まで使用されたパッズィーという名前は、彼をデザインしたJoannaBall(ジョアナ・ボール)の製作拠点となっているWestYorkshire(ウエスト・ヨークシャー)にある都市名に因んでいる。彼の包帯が、病気や恵まれない境遇の子どもたちを表現していることは理解できるのですが、その生々しさに最初、馴染むことができない人も多数。2007年以降は、新しく生まれ変わったパッズィー君が使用されている。包帯の水玉模様がカラフルになったそう。イギリス的な美的感覚に馴染んできたせいか、パッズィー君に親しみを覚えたせいか、最近、彼のことがとてもかわいいと思えるようになる。目下、チャリティーショップやカーブーツセールでパッズィー君のぬいぐるみも。チルドレン・イン・ニードが放送される時期になると、どこのお店でも簡単にパッズィー君グッズを手に入れることはできる。