「ゴイセコ・カビ」は高級レストランということで、店内も高級感があるが、ゴージャスで華やかな雰囲気というよりは、どちらかというと地味なかんじだ。静かで落ち着いて食事が楽しめる空間となっている。内装は、白い壁に焦げ茶色の木を生かして独特の暖かみがある。ドレスコードもさほど厳しくなさそう。さすがに短パン、Tシャツ、サンダルではだめだが、ノージャケットや半袖シャツでも大丈夫そうだ。メニューには英語表記の用意もあるが、更新されていないこともあるので、スペイン語に自信のない人は事前にホームページで公開されているメニューに目を通してみると良いかもしれない。
オーダーしたのは、生ハム、ロブスターのサラダ、牛肉のステーキ、デザートとしてアイスクリームとコーヒーだ。あとはリオハの白ワイン。少食の日本人に朗報なのは、「ゴイセコ・カビ」では大部分の料理がハーフポーションで注文できる点だ。スペインの量に苦労していた人も、ここならいろいろ食べることができる。
付きだしとして、コロッケ様のものとフライドポテトが出て、その後、一品目の生ハム登場。ハムの表面はうっすらと脂が溶けたように汗をかいている。高級な生ハムの場合、脂が常温でほんのり溶け出すものらしいので、これこそが本物の証だ。口に入れると、すぐに豚の脂が溶けて独特の甘みが口の中に広がる。二皿目は、ロブスターのサラダ(ハーフポーション)。サラダといっても野菜や果物をみじん切りにして整形したものの上に、ロブスターの身を乗せていて、生野菜が添えられている。野菜の取り合わせが変わっているのか、少し面白い味だ。メインのステーキは"Lomo de buey justo asado"をハーフポーションで。レアは、かなり生々しい感じである。デザートの前に食後酒のサービスとして、シェリー酒の20年ものが出された。以上、ワインや税金込みのお会計は、二人でおよそ145ユーロ(20000円くらい)。
「ゴイセコ・カビ」は他のレストランとは違うユニークなレストランだ。素材勝負といった料理は、素材なりの美味しさを楽しめる。メニューには他では見たことがないような興味をそそるものがいろいろあるので、是非また来てみたいと思う店だ。サービスも高級店にふさわしく、どちらかといえば控えめな感じである。ユニークな料理をいただきたい人はぜひ、チェックしてみて。