モンターニュ公園の裏側にある「ゴヤのパンテオン」。正式名はサン・アントニオ・デ・ラ・フロリダ聖堂だ。内部は撮影禁止となっているが、ゴヤが1798年に描いた天井画「サン・アントニオの奇跡」や祭壇前にあるゴヤのお墓が見所である。外観はネオ・クラシック様式でシンプルな印象だが、内部の空間はゴヤのフレスコ画でじつに生き生きとしている。天井と壁柱の一部には、ケルビムとエンジェルと女性の姿が描かれており、ゴヤ独特のぼやけた筆遣いと色調で表現されている。十字架のマークがついたゴヤのお墓が、祭壇の前にあるが、骨相学研究のため首を盗まれてしまったということで、ここに眠っているのは首のないゴヤだ。
また、サン・アントニオは恋・結婚・花嫁の守護聖人であるため、6月13日のサン・アントニオの祭りの日になると、未婚女性たちがよくお参りにやってくるという。