ボルネオ島で見られる珍しい植物にラフレシアがある。世界最大の花と言われ、最小のものでも直径30cm、大きいものでは1m近くになるという。開花しても、すぐに枯れてしまうことから「幻の花」との異名を持つ花だ。そのため、生息地域でもみられるかどうかはタイミング次第である。
そんなラフレシアを見に行くというツアー。「ラフレシア館」ならラフレシアを育成しているので見られるかもしれない。しかし、たとえ「ラフレシア館」に行ったとしても、時期があるから咲いていないかもしれないツアー。「ラフレシア館」の入場料20リンギット(約704円)。ガイドさんについて行くと、小さな建物の脇の掘っ立て小屋にもなっていない屋根下でくつろぐ一家。どうやらココが「ラフレシア館」受付カウンターらしい。
敷地内の空き地の小道を奥へと進むと、小さな木の枠のような門の前でガイドさんが足を止める。門の脇には、ラフレシアの説明看板が立っていて、ここが「ラフレシア館」のようだ。実際、「館」というよりは「庭」、「庭」というよりは「木々の茂った空き地」といった感じが適当であるが。一応、細い歩道が整えられており、植物たちのスペースとは柵で仕切られている。そこにあるのはラフレシア!確かに、写真で見たとおりのラフレシアが咲いている。ラフレシアは茎も根も葉もない寄生植物だという。寄生した蔓科の植物から栄養を吸い取って花だけ開く、という不気味な花だ。咲いたら悪臭を放ちハエを誘い、ねっとりとしたその花粉をハエに運ばせる。そして、すぐに死んで花は真っ黒に変色してしまうのだ。死んでしまったラフレシアもあり、それは黒い塊で、まるでゴミのようだ。よく見ると、真っ黒だが、ちゃんとラフレシアの形をしている。庭を一通り回ると、真っ黒なラフレシアがあちらこちらにあったが、赤味を残したラフレシアは唯一、1つだけだ。ガイドさん曰く、ラフレシアの蕾は、カットして、干して、水に漬けて、煎じて飲むと高血圧に効くとのこと。
非常に珍しいので、花を咲かせているラフレシアを見れるのはラッキーなのかもしれない。