意外に近代化がすすんでいて、高層ビル、豪華ホテル、数多くのデパート。さらに新しい建物も、次々と建って発展をし続けているマニラ。でも、どんなに月日が経っても、白黒写真が似合う場所がこの街にはある。それは「イントラムロス」。Intramurosとは、 Intra(内側) Muros(壁)というスペイン語の言葉に由来し、その名の通り「壁に囲まれた」都市のことで、16世紀にスペイン人によって建てられたマニラ最古の地区である。300年以上も続いたスペイン統治時代の名残りは、その後のアメリカの統治、世界大戦、などなどで多くが破壊されたものの、ここイントラムロスは、その数少ないスペイン統治時代の遺産が残っている場所。
フィリピンがスペインの植民地であった時は、ここイントラムロスは政治・軍事・宗教の中心地で、スペイン人でも高い階級の人のみ住んでいたとか。キリスト教徒の原住民と中国人は中に入ることを認められたものの、彼らが内部に住むことは許されず、大多数の原住民と中国系住民は城壁で守られた街の外側に住んでいた。この分厚い壁は、原住民にとってはそれはそれは「高い壁」だったんだろう。長いスペイン統治が終了し、アメリカ統治時代が始まった19世紀も、ここイントラムロスは軍事拠点として使われ、そのほとんどが世界第二次大戦での日本軍による攻撃(マニラの戦い)、そしてその日本軍を追放するためのアメリカ軍の爆撃によって破壊された。フィリピンは、こうしてスペイン/アメリカとの深い関わりによって「アジアの中の西洋」と呼ぶ人も多く、非常に興味深い歴史を持つ国。そして、マニラの歴史の原点はここ「Intramuros イントラムロス」にあると言っても過言ではない。
そんなイントラムロスのツアーもあり、ツアーのコンダクターさんはこちらCarlos Celdran カルロス セルドラン。現在、フィリピンでとてもホットな人物の1人だとか。
"You cannot change how Manila looks right now,but you can change how YOU look Manila.
(マニラの今ある姿を変えることはできないが、あなた自身のマニラの見方を変えることはできる。)"
そんな言葉をモットーに、マニラの歴史的な場所をガイドブックにものっていない歴史的情報とともに紹介してくれる興味深いツアーも是非。