パリでパサージュというと、日本でいうところの「アーケード街」みたいなもの。ただ、パリのパサージュと日本のアーケード街は相当違う。日本のアーケード街っておおむね最初は「細い道に面した商店街」だったのが、後に屋根をつけて雨でも買い物しやすくしたっていう感じのところが多い。しかし、パリのパサージュは細い道に面してるんじゃなく、基本的には建物の中に作られている。建物の中なんだけど、そこだけ天井から日の光が差し込む構造になってて、大体は19世紀頃に作られたもの。パサージュはパリには20カ所弱残っている。
パサージュ・デ・パノラマはそんなパサージュのひとつ。1799年アメリカ人のセイヤー氏が当時の大繁華街であったモンマルトル通りに2つの建物を建て、そこにパノラマと呼ばれる見世物小屋を作ったところ大成功、その隣にもう一軒の小屋が建てられその2つを屋根つきの通路でつないだものをパサージュとしたのが始まり。パサージュ・デ・パノラマは、カフェやレストランが並び、その間の狭い通路は人がすれ違うのもやっとと言うくらい。そこを抜けると、古切手や古銭、アンティークカードの店が並んでいる。カフェやレストランは、夜には実にいいムードをかもし出している。