「真実の口」で有名な「サンタ・マリア・イン・コスメディン教会」の前に広がる「真実の口広場」。テヴェレ川に近く、幹線道路も通っていたため、ローマ時代から栄えていた。周辺にはフォロ・ボアーリオと呼ばれる家畜の市や、フォロ・オリトリオと呼ばれる青果を扱うところが広がっていた。
広場には噴水もあるが、注目は2つの神殿だ。手前にある円形の神殿「ヴェスタ神殿」と後方にある長方形の神殿だ。「ヴェスタ神殿」は紀元前120年頃のもので、華麗なコリント式の柱で囲まれている。ローマに残る大理石の神殿としては最古のものとされる。長方形の神殿「フォルトゥーナの神殿」は古代ギリシアとイタリア中部の古代民族エトルリアの建築様式を融合させたものだという。紀元前1世紀に建てられたもので、イオニア式の柱が壁に組み込まれている。