参鶏湯(サムゲタン)は、韓国の代表的スープで、若鶏もしくは丸ごとの鶏の腹を割いて、その中にもち米、栗、干しナツメ、高麗人参、松の実など薬膳料理の食材を詰め合わせた後、それを長時間煮込む。こちらのお店は、テレビの旅行特集などでもよく紹介されているお店。それだけに、行列に並んでいるのは韓国人が結構多いとか。勿論、旅行者の姿も見受けられるが、圧倒的に韓国の方がたくさんいるそう。盧武鉉前大統領の行きつけの店として知られるせいか、韓国の人でも並んででも食べたいお店のよう。店内は、広く、お店の回転も良いのでそんなに待たなくても済む。お食事はゆっくり、というお国柄ではないようなので、どこのお店でも回転速いのは嬉しい。店内に案内され、座って待っていると、お茶と高麗人参酒と思われるお酒が出てくる。こちら、飲んでみると高麗人参の風味が口中に広がる食前酒。さて、本題の参鶏湯(サムゲタン)は、普通の鶏肉と烏骨鶏(うこっけい)が選べる。鶏は、よく煮込まれていて肉がほろほろとほぐれ、スプーンだけで食べることが出来る。スープは、とても優しい味で、鶏のお腹からお米や栗やなつめ、高麗人参が次々と表れるびっくりフード。でも段々と皮や内臓や骨や、グロテスクな部分もあらわになってきて、完食はできない方も多々いるよう。そして、こおスープ、本当に体が温まるスープ。因みに、8月の暑い日が続く頃、韓国では参鶏湯(サムゲタン)は夏のスタミナ食として食べる週間があるそう。つまりは、日本で土用の丑の日に食べるうなぎの役割。また、付け合せのキムチも美味。古い韓国の伝統家屋を改造したレストランの内部で雰囲気を感じながら、参鶏湯を食べてみては。
・参鶏湯を注文すると高麗人参酒が食前酒としてついてくるが、食前酒の匂いがきつくて、そのまま飲むのが無理な人は参鶏湯の中に食前酒を入れる事をおススメ。
・熱々のスープにほんの少し塩を入れて味を調節する。
・中の若鶏も引き上げて、小皿の上で解体する。
・ちょっと塩を付けて、ついでにスープも絡めて食べると、実に美味しい。
・食べるのに手間がかかるが、それだけの価値はあると思う。
・詰められている餅米もスープと一緒に食べる。
・食べ方は、更に鶏肉をくずして取り、小皿の塩につけて食べたりパンチャンのキムチを直接、参鶏湯の中に入れたり、塩コショウを中に入れたり思い思いに食べると良い。
・韓国では、「伏日(ポンナル)」といって、全国でいっせいにサムゲタン(若鶏の鍋)やポシンタン(犬肉の鍋)を食べる夏のイベントデー。日本で土用の丑の日にウナギを食べるのと同じようなもの。
・伏(복)の日は3回あって、初伏(초복)は7月15日頃、中伏(중복)は7月25日頃、末伏(말복)は8月14日頃。(7月から8月にかけてで、毎年変わる。)
・韓国のサムゲタン専門店は大忙し。
・夏バテを防ぐために、栄養のあるものを食べて暑さを乗り切ろうという意味が込められている。
・大概、女性はサムゲタンを食し、男性がポシンタンを食するのが普通だとかで、特に、薬膳入りサムゲタンが人気。