ここは江南のど真ん中。オフィス街の近代的建物の中に、ぽつんとあるお寺「奉恩寺」。奉恩寺はその歴史が1000年以上にもなるというとても古いお寺。奉恩寺は、江南の小高い丘の上に位置している都心のオアシスのような空間。
江南が開発されたのは、ソウルオリンピックの開催を契機にした1980年後半以降であるから、それまでは自然に囲まれた静かな山林の中のお寺だったのだろう。
奉恩寺は、禅宗信仰の中心地として不動の地位を占めている由緒あるお寺。
敷地内に一歩足を踏み入れると、ちょうど読経の真っ最中。マイクを通して大音量が、当たり一面響き渡っていた。平日の朝というのに多くの熱心な信徒さんが、立ったり座ったり頭を地面にこすったり一心不乱に祈りを捧げている。韓国のお寺の内装って日本の感覚からいう派手。奉恩寺には、外国人のために、寺院巡礼・座禅・茶道などを体験するテンプルステイというプログラムがあるのだそう。
しかし、読経がこだまする境内を歩いていると、少なからず厳粛な気持ちになる。見上げると、韓国最大の23メートルの弥勒大仏像が、私を見下ろしていた。