マドリードとバルセロナの中間に位置する街サラゴサ。この街の最大のお祭りが「ピラール祭」で、守護聖母の為に行われる。毎年、この日になると教会前の広場には、沢山の献花が集まる。昼過ぎにパレードが始まり、騎馬警官の後を各地の民族衣装をまとった老若男女続く。演奏や踊りで沿道の客を湧かせるグループや地方の名産品を見せながら歩くグループなど、各グループが衣装だけでなく、少しづつ趣向を凝らしている。夜になると雰囲気がガラリと変わり、ガラスの十字架行列と言われるパレードが始まる。アラゴン州の民族衣装を身につけ、ランタンを持った人々が山車を担いで讃美歌を歌いながら歩くのだ。昼の浮かれた雰囲気とは異なり、ちょっと中世風である。スペインの昔はこんな風だったのかな、と思いを馳せる。
この「ピラール祭」をもって、スペインは闘牛シーズンを終え、冬を迎えるのである。